午後は暇だったので、歩いて吉祥寺へ。
高架下のいぶきうどんでうどんを食べる。いぶきうどんは無料の揚げイリコによってクリスピー感を補充できるので天ぷらいらず。地獄みたいに揚げられたイリコは、たちまちゆるふわ化する天かすと違い軟口蓋をガンガン攻撃してくる。
それはそうといぶきうどんって丸亀製麺の系列なんだね。調べると大阪の十三と天六に出して、東京初進出が吉祥寺みたい。
大阪のうどんは京都のぶぶ漬けみたくエピソードとして有名だけど、関西に住んでいた頃、梅田の人気店は讃岐うどんスタイルばっかりで東京とそんな変わらないじゃんと思った記憶がある。東京の人が昔ながらの大阪のうどんを食べると、だし汁の色とかの前に麺がやわくて面食らうと思う。
その後、井の頭公園の端の方にある、本を読む人のためのカフェへ。
アパートの一室。穴蔵っぽい。ジャズ的な音楽が良い感じのスピーカーから流れてる。(ヒドい表現だ)
入ってすぐは、どこに座るかとか、荷物を置いたりとか、騒々しい自分が空間の異物になる。少し経つと、空間に溶け込んでいって、場が落ち着く。本を開いて少し経って、気まぐれに井の頭公園のベンチに座って読んでもいいかもと思い外へ出た。風が強くて秒速で諦めた。つまりほとんど読まかったよ。
公園を抜けて、パタゴニアの店でジャケットの色を確認したかったけど、照明が暖色でいまいちわからなくて、無慈悲な蛍光灯の下で見たいと思った。
もう少し歩きたいな、と武蔵野プレイスまで中央線沿いを歩く。すっかり日は暮れてしまった。
武蔵野プレイスについて、絵の多い本をぱらぱら。
根津美術館の、かわいさ爆発な子犬のクリアファイルが気になってた長沢芦雪。
「奇想」っていうブランドがつくけど、曾我蕭白や伊藤若冲とはだいぶセンスが違うよね…と思っていたら、どうも美術手帖の「奇想の系譜」連載時には載っていなくて、本にする時にもう1人ほしいっていう編集者の注文で加えたってことみたい。作者の辻惟雄も、対談記事で「奇想のイメージや概念からは少し外れていた」「元来まともな絵が描ける人」「伝統と非常に結びつけやすい画家」と語っている。
奇想というよりはユーモア、洒落っ気の人。そして円山応挙あっての長沢芦雪。でも、犬は長沢芦雪の方が好き。応挙の犬はなんだか、ひと昔前の国語の教科書に載ってそうな感じ。芦雪の方が生き生きとしていて、かわいさが躍動してる。あとはアメリカにある屏風の、掴んでいた子猿を谷に落としてしまった母猿の、残った手の感じとか生で見てみたい。
調べたら数ヶ月前に名古屋で長沢芦雪展をやっていたようで、時代に追いつきたかった。
家まではゆっくり歩いて帰った。今日は15km歩いた。歩くのが一番ラクに痩せられるので、1日10kmは歩きたい。
疲れていたのでフルーツグラノーラをシャコシャコ食べて夕ご飯とした。