鶯谷にある書道博物館のお話

中国・唐代の仏像があるという話を聞きつけて、書道博物館に行ってきました。

書道博物館になぜ仏像があるかというと、銘文が漢字で書かれているから。納得だ。

鶯谷駅の5分のところ、上野駅から歩く。戦前の和風住宅っぽい寛永寺塔頭群を抜けていき、茶色い線路を横切り下っていくあたりから鶯谷。

 

鶯谷という地名は、Wikipedia曰く京都から来た皇族出身の寛永寺住職が、「江戸の鶯は訛っている」or「江戸のウグイスは遅鳴きで声が汚い」とわざわざ京都から連れてきた3500羽のウグイスを放ったところからみたいだけど、当時からこういう京都人イメージはあったんだろうか。「遅鳴きで声が汚い」と、「訛っている」では言葉のいやらしさが結構ちがうと思うのだけど、具体的な前者の方が最初で、後者は京都人に対するマイナスイメージをのせた後世の意訳かな?と思った。

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そんな雅なエピソードにひたる間もなく、駅前はラブホテルが密集していてびっくり。こんなにラブホテルが密集していたら、優柔不断な人は選ぶだけで夜が明けてしまうのでは、といらぬ心配をしてしまったが、付近には直訳すると健康なお店が多いので、そういう利用法ではないのかもしれない。

 さて、その書道博物館は展示替えのため休みでした。結果的にラブホテル街を独り歩いただけの人になってしまった。

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後日、気をとりなおして書道博物館に行ってきました。

なんの予備知識もなかったけど、展示案内文がすごく噛み砕いてくれてて取っつきやすかったし、体験型の展示も多くて予想以上に楽しかった!教養ある東大生とかはデートで来たりするんだろうか。

エキゾチックな古代青銅器の線刻文字から、徐々に見慣れた漢字になってく様は中国すげーってなった。半分くらいは現物、青銅器や鏡、仏像、板碑、俑なんかで、これらは書道資料であり、中国古代美術コレクションでもある。

お目当ての唐代の石仏は小さいながらも堂々としていて、我こそは王道って感じ。

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これは東京国立博物館のものだけど、厳しい感じが似てる

そして、もう一つ。展示棚にひっそりと置かれている東魏(544年)の小さな菩薩半跏像。広隆寺の半跏思惟像よりもさらに80年くらい古いものだけど、なんていうかもう完成されてる。松岡美術館のガンダーラの半跏思惟像とともに、広隆寺や中宮寺のが好きな人は一見の価値ありだと思いました。

 

竹隆庵岡埜でこごめ大福を買って上野公園で食べて、アメ横まで下りてきてギャランで珈琲を飲んで、クラウンエースでちゃちゃっとカレーを食べて帰宅。