暖色の冬

新年早々、多摩境近辺を散歩した。富士フイルムのX-E1にxc16-50mmという古いキットレンズを使っている。Astiaという暖色系のフィルムシミュレーションを使っているからか、冬がにぎやかに撮れた。 多摩境の丘上には比較的新しい、前元号時代に作られた団地が…

冬曇りの午後とブラックミストNo.5

冬の曇りの日の午後3時頃から、近くの河原に行って写真を撮った。 xf35mmf1.4にブラックミストNo.5というソフトフィルターをつけてみて、どんな風になるのか試したかったからだ。 曇り空は淡々と暗くなっていくし、カメラの方もどんよりとした写真を量産した…

千歳烏山から芦花公園へ歩く

冬の日差しに薄っぺらく照らされながら、千歳烏山から芦花公園の方へ歩いた。カメラはX-E1&xf35mmf1.4。PRO Neg. STDのカラーを−2している。 標準レンズだけだと場面説明的な写真を全然撮らなくなることに気づいたが、これは千歳烏山駅の側面。 街の掲示板は…

多摩ニュータウンの夕暮れを歩く

休日の午後、南大沢から多摩境の方へ歩いた。カメラは富士フイルムX10。古いデジカメだけど、夕暮れの柔らかい色を写すにはいいカメラ。 南大沢は駅前が郊外都市風。地方なら車で来るようなショッピングモール・娯楽施設が駅前に揃っている。 多摩丘陵のなだ…

休日は高幡不動へ

休日は日野市にある高幡不動尊金剛寺へ行った。 巨大な不動明王を祀る関東らしい(東国武士が好きそうな)お寺で、京王線高幡不動駅から徒歩5分と近い。新宿駅を出て約40分後には古刹の境内にいることができるので、都内ではなかなか貴重な存在だと思う。 カメ…

駄菓子屋としての無印良品の魅力に迫る

無印良品の駄菓子とオリジナルを食べ比べました 無印良品で前から気になっているものがある。レジ前に無造作に積み重ねられたチキンラーメンだ。 このインダストリアルさがかっこいい! 身近なところで日本人の「丁寧な暮らし」を支えるのが無印良品である。…

青渭神社とヴィンテージ紫陽花の季節

近場を散歩したときに見つけたもの達を紹介したい。調布市深大寺~佐須周辺の散歩である。 よく歩くルートの裏道で見つけた果樹園。多摩地区とはいえ都内に住んでいる自分からすると、果樹園という言葉には少し旅行気分が漂っている。園内の葡萄の蔦が勢い余…

梅雨の空気は地面に近い(神代水生植物園へ)

梅雨の空気は地面に近い。秋晴れのように空までつながっている気がしない。 そんな日は低湿地帯へ行くに限る。 深大寺の隣にひっそりと存在している水生植物園。日曜日であっても人がまばらな程度に花が咲いている、神代植物公園の飛び地だ。 雨上がりに散歩…

富士フイルムX10という2011年のカメラが素敵だ

2011年発売、finepix X100に続く富士フイルムXシリーズの第2号機。2ヶ月前に1万円ちょっとで手に入れたこのカメラを好きになってしまった。気づけば毎日持ち歩いている。 昔の機種なのでいろいろと欠点はあるけど、どうにかして良い写真を撮りたくなる、いや…

深大寺はその周辺も面白い

深大寺周辺には古代がひしめいている。このあたりは旧石器時代から連綿と人が暮らしている場所だ。飛鳥時代には狛江郷と呼ばれ、朝鮮半島(主に高句麗)から多くの渡来人が移住した。国分寺崖線の斜面(御塔坂)にも吉見百穴的な横穴の墓が見つかっている。 田舎…

街路樹界の異端児、ソメイヨシノの"のたうち回り具合"を愛でる

3月初めの早朝のことだ。家の近くを散歩していると、向こうに1本だけ妙に行儀の悪いやつがいるな、と思った。 近づいてみると枝に小さな蕾が見える。ああ、桜か。 2本のヤンキーに絡まれる若木 桜=ソメイヨシノ。可憐な薄ピンクの花を咲かせる、押すに押さ…

あの夏、ずんだまみれの仙台旅行

5日間で17の「ずんだ」を食べました ※これは過去記事を読みやすくまとめた記事です。 平成30年の夏、ずんだ餅を思う存分食べてきた。 きっかけは学生時代に一番仲の良かった友人が仙台に転勤したこと。友人宅に泊まりながら、20代最後の夏休みを仙台で過ごし…

ゴールデンウィークの散歩、素敵な高低差

ゴールデンウィークは散歩しました!なんて地味な話を大っぴらにしていいのはこんな時ぐらいだと思うので、写真多めに振り返ってみたい。使用したカメラは富士フイルムX10とX-S1。 この坂は国分寺崖線の一角。整地されすぎていないため、ぐねぐね登ったり下…

古いものを探して散歩する(文京区白山編)

(※念のため、3月中旬の話です) 地中深くから地表へ続々と人が飛び出していく不思議な光景 ここは文京区白山。電車で30分以上かけ、散歩しにやってきた。古い花街の名残があると知ったことがきっかけだ。 花街といえば芸と欲の交差点…日々地味に生きている自…

小田急ロマンスカーの「後展望席」に乗って、日常へなだらかに帰還する

旅行帰りの後展望席は旅情たっぷりでした 1泊2日で小田原へ行ってきた。 思いつきで仕事終わりの夕方に出発し、翌日帰ってくるという小旅行だ。 東京-小田原間は通勤できるくらい近いので、素早く日常→旅行モードに気分を切り替える必要がある。 となると、…

新春イベント!東京国立博物館に「初詣」し、美術品に無病息災を祈る。

2020年1月3日、東京国立博物館へ「初詣」しに行ってきました。 正月の東京国立博物館で毎年恒例となっている展覧会がある。 その名は「博物館に初もうで」(2020年1月2日~1月26日)。超有名美術品の新春特別公開だったり、新年の干支にちなんだ文化財を一同に…

あの肉の万世秋葉原本店がオススメする噂の料理「ダブルパコリタン」を食す

肉の万世秋葉原本店へ行ってきました 東京都民にはカツサンドでお馴染みの『肉の万世』。 そんな万世の総本店が秋葉原にあることは有名だろう。10階建てのビルが丸ごと万世のレストランなのだ。 ここは肉のワンダーランド。ステーキも、しゃぶしゃぶも、すき…

4泊5日で17ずんだ。ずんだまみれの仙台旅行。

4泊5日で17の「ずんだ」を食べた話です。 ずんだ餅。 みずみずしい緑と、柔らかな白。 その誰をも傷つけぬ優しい見た目とは裏腹な、妙に爆発感のあるネーミング。 そこになんだか無視できぬものを感じていた。 これはあくまで自分の中のイメージだが、「ずんだ…

建築における「日本的なるもの」について

半年近くにわたり開催された森美術館15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」も終わって1ヶ月以上経ち、そろそろほとぼりも冷めてきたところなのでここに感想を書いておこうと思います。 (単に途中まで書いてほっぽってただけなのですが) で、…

クマと渋谷と出不精おとこ

外出に対する心理的ハードルの高い人と低い人がいる。高い人は本当に心待ちにしているものがある時しか外出しない。しかし、心待ちにしているものの中にも、実際に体験してみると期待通りのものと期待外れのものがある。 期待外れだったとき、期待の分だけ「…

最終日の上野、ミケランジェロ展

横浜のモネ展も上野のミケランジェロ展もいつのまにか最終日になっていて、自分は一体夏に何をしていたのかと思ったら、そういえば暑くて家の中でクーラーをつけていたという記憶だけが残っている。 そんなわけで最終日にやっとミケランジェロ展に行ってきま…

縄文展と藤田嗣治展を見に上野へ

東京国立博物館「縄文展」と東京都美術館「藤田嗣治展」を見に上野に行ってきました。 まずは昼を食べようと繁華街の方へ。一見でふらっと気になった店に入れればいいんだけど、いまいち勇気がないので有名な王城に。喫煙可の純喫茶は周りのお客さんの灰皿を見て…

リブート作『ロボコップ』(2014)はどこが「期待外れ」だったのか

おすぎ以来と称揚される映画評論家の宇多丸という人が、このリブートロボコップの監督ジョゼ・パジーリャを「エンターテイメント性との両立ができる超硬派社会派作家」で、「こんなロボコップにうってつけの人材います?っていう」「ロボコップの精神性をば…

京都のおおっぴらな町並み風景 3選

高台寺は名前の通りちょっとした高台の上にあって、振り返ると東山の町並みが広がっている。観光写真で使われているのを自分は見たことがなくて、京都には「坪庭の美学」的なものだけでなく、こういうおおっぴらな景色もあるんだな、と新鮮だった。 日本には中…

早稲田にある"書"の美術館、センチュリーミュージアムは仏像がすごい

早稲田にある書の美術館、センチュリーミュージアム。 「月曜日 やってる美術館 東京」みたく検索したらみつけたところ。 ネットでの検索結果もひっそりしてるし、1人で貸し切り状態だったけど、なかなかすごい美術館だった。 知らなきゃ絶対わからない小さな…

『おばけのバーバパパ』(1972年)

子供の頃好きだったバーバパパシリーズ。 その中で一番気に入ってて、今も読み返すのはやはり第一作目。 それ以後の作品がストーリーから考えて作ったように思えるのに対して、一作目は絵を、つまりこのバーバパパのいる世界を描きたくて、描いてたらこんな…

布団のカビと日曜日の調布

家に1人でいると本当になーんにも出来ない人間で、布団と一体化するのが得意です。そんな布団=自分の周りを、そろそろ暖かくなってきてダニは大移動し始めているだろうし、梅雨入り前にしてカビだってアップし始めてることだろう。同じ布団の構成要素として…

それなりウディ・アレン『マジック・イン・ムーンライト』

エマ・ストーンという女優さん、なんか知ってる顔だと思ったらララランドの人で、それはともかくこの映画ではインチキで気まぐれで思わせぶりで、超美人な上に超可愛い。美人と可愛いは意外と両立しないのに。この欲張りさんめ! そして今回の"ウディ・アレ…

NHKドキュ『長すぎた入院 精神医療・知られざる実態』

www.nhk.or.jp 福島の原発事故で精神科病院から避難、避難先で「入院の必要なし」と診断されて"たまたま"退院できた66歳の男性。なぜ自分が39年間も入院しなければいけなかったのかを探る。 このドキュメンタリーは冒頭からとても胸にくるものがあった。それは…

東京都写真美術館「光画と新興写真」、「清里コレクション展」

後世に影響を与えた写真の数々「『光画』と新興写真 モダニズムの日本」展 | NEWS | IMA ONLINE ぐるっとパスで無料だったので、訳もわからず見てきました。 パンフレットの説明によると、新興写真とは「絵画の真似するんじゃなくて、カメラ・レンズという機…